難病医療費助成・生活保護法等指定医療機関

物忘れ・認知症外来

次のような症状の方はご相談ください

物忘れ・認知症外来
  • その日に食事をしたのかどうか思い出せない
  • その日に外出したのかどうか記憶にない
  • 財布やクレジットカードなど、大切なものを頻繁に失くすようになった
  • 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
  • 慣れている場所なのに、道に迷うことがある
  • 自分が今いる場所が分からなくなることがある
  • 薬の管理が出来なくなった
  • 以前は好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
  • あてもなく辺りを徘徊し、元の場所(自宅など)に戻れなくなる
  • 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりすることが目立つ
  • 突然、怒り出したりする
  • 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある

以下の文章は、「認知症疾患診療ガイドライン2017」を参考として記載しました。

大塚南口駅前脳神経内科クリニック
院長 西田隆

治療総論

認知症診断後の介入、サポートはどうあるべきか

回答
認知症者と家族の生活の質を高めるには、認知症と診断された早い段階から認知症を有しつつ生活する方法を伝え、社会資源へのつながりを促し、将来計画を考えるための診断後支援が必要となる。これには疾患教育、認知症カフェのような当事者コミュニティへの参加のほか、本人の意思を表明する文書作成、本人の希望に基づく将来の介護計画の作成まで含まれると考える国もある。我が国に適した認知症診断後の介入とサポートのあり方について慎重な議論が必要である。

認知症の治療の際には薬物療法・非薬物療法・ケアをどのように施行するか

回答
認知症の治療は認知機能の改善と生活の質向上を目的として、薬物療法と非薬物療法を組み合わせて行う。認知症の行動・心理症状behavioral and psychological symptoms of dementia (BPSD)には非薬物療法を薬物療法より優先的に行うことを原則とする。向精神薬を使用する場合は、有害事象と投薬の必要性を継続的に評価する。

高齢の認知症者への薬物療法の注意点と原則は何か

推奨
高齢認知症者では有害事象が生じやすい。
①投与薬物は、その種類によっては若年者の1/2~1/4量といった少量で開始することを検討する。
②薬効評価は短期間に行う。
③服薬方法は簡略にする。
④特有の有害事象に注意を払いながら多剤服用をできるだけ避ける。定期的に薬剤の種類、投与量、長期投与処方の必要性を評価する。
⑤家族、介護者、薬剤師などで服薬アドヒアランスを確認する。

向精神薬による治療の有害事象(転倒、日常生活動作低下、認知機能低下、誤嚥性肺炎など)には何があるか

回答
抗精神病薬の有害事象には過鎮静、低血圧、転倒、嚥下障害、便秘、悪性症候群がある。死亡リスク上昇とも関連する。オランザピンとクエチアピンは耐糖能異常に特に注意を払う。抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI) やセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬serotonin-norepinephrine reuptake inhibitor (SNRI)では悪心、軟便、セロトニン症候群を、ベンゾジアゼピン系抗不安薬や睡眠導入薬では転倒、誤嚥、傾眠、呼吸抑制を生じうる。

認知症の薬物療法にはどのような治療の手順があるか

回答
認知症者に対する薬物療法を開始するときには、その必要性を十分に検討する。薬物療法が必要な場合には、服薬アドヒアランスや薬剤の適応症を確認し、患者や介護者に十分な説明を行ったうえで開始する。

コリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗薬の有害事象とそれに対する対応はどのように行うか

推奨
コリンエステラーゼ阻害薬の有害事象で頻度の高いものは、嘔気、嘔吐、下痢などの消化器症状である。NMDA受容体拮抗薬の頻度の高い副作用は、傾眠、めまい、便秘、頭痛などである。これらの有害事象の治療の原則は、該当する薬剤の減量・中止である。

認知症の非薬物療法にはどのようなものがあるか

回答
認知症者に対する介入には、認知機能訓練、認知刺激、運動療法、回想法、音楽療法、日常生活動作訓練などがある。

認知症の非薬物療法はどのような症状に効果があるか

推奨
認知刺激などの認知機能に働きかける非薬物療法や運動療法は、認知症の認知機能障害に対する効果がある。運動療法は日常生活動作ADLの改善に、音楽療法は認知症の行動・心理症状BPSDに対する効果がある可能性がある。

認知症の行動・心理症状の治療

不安に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
不安は、さまざまな認知症の行動・心理症状BPSDの原因や誘因になりうる重要な症状であり、安心させる声かけや態度で接することが基本である。不安に対する非薬物療法としては、音楽療法と認知行動療法が有効である可能性があり考慮する。以上の治療で効果不十分の場合は、リスペリドン、オランザピン、クエチアピンの投与を検討する。

焦燥性興奮に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
焦燥性興奮に対しては、パーソンセンタードケアを基本として、症状が生じた理由や原因を考え、それを解決するよう心がける。また介護者が認知症者との適切な会話スキルを学び、実践する方法も有効である。そのほか、非薬物療法としては、グループ活動、音楽療法、マッサージの有効性が示されており検討する。薬物療法としては、リスペリドン、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬の有効性が示されている。また抑肝散、チアプリド、カルバマゼピン、セルトラリン、エスシタロプラム、トラゾドンの使用も検討する。

幻覚・妄想に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
幻覚・妄想を呈する認知症者に対しては、受容的に接して不安を軽減させることを第一に考える。また特定の人が妄想の対象となっている場合には、その人との時間的・物理的距離をとることを考える。投与されている薬剤により幻覚・妄想が生じている可能性も考慮して確認する。Alzheimer型認知症において、抗認知症薬やこれらの方法で改善しない場合には、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬を検討する。また抑肝散も検討してよい。

うつ症状に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
うつ症状に対しては、認知症者の置かれている状況を考慮し受容的に接する。非薬物療法としてはソーシャルサポートの利用、回想法、音楽療法が有効である。我が国においては介護サービスの利用が現実的な対応である。一定期間これらの治療を行っても改善を認めない場合には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬selecttive serotonin reuptake inhibitor (SSRI)やセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬serotonin-norepinephrine reuptake inhibitor (SNRI)などの抗うつ薬の使用を考慮する。

徘徊、性的逸脱行動、暴力、不穏に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
徘徊は、その理由・原因を認知症者の立場になって考え対処する。徘徊の頻度の高い認知症者に対しては、発見されやすくする対策を講じておく。薬物療法として、リスペリドンの処方を考慮してもよいが、科学的根拠は不十分である。チアプリドは、脳梗塞後遺症に伴う徘徊に保険適応を有しており、考慮してよい。しかしこれらの対応でも困難な場合は、施設入所サービスなどの介護サービスの利用も検討する。認知症者の性的逸脱行動に対しては、まず環境調整を行い、また脱抑制を増悪しうる薬剤を使用している患者に対しては、その薬剤の中止を検討する。薬物療法として選択的セロトニン再取り込み阻害薬selecttive serotonin reuptake inhibitor (SSRI)などが提案されているが、科学的根拠は乏しく、使用には十分な注意が必要である。認知症者の暴力、不穏に対しては、焦燥性興奮の治療に準じる。

睡眠障害に有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
まず睡眠障害の正確な把握と鑑別診断を行う。また影響しうる身体症状(疼痛、頻尿、そう痒など)、心理・社会的ストレス、し好品、薬剤があれば改善する。そのうえで、日中の日光浴や身体活動を促し、睡眠環境の改善を図る。また可能であれば高照度光療法も検討する。薬物療法としては、トラゾドン、リスペリドンの使用を検討してもよい。しかし、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は鎮静や転倒などの有害事象が起こりやすいので推奨されない。

アパシーに有効な非薬物療法・薬物療法は何か

推奨
アパシーに対する非薬物療法としては、個々の認知症者に合わせた治療的なアクティビティの有効性が示唆されている。わが国においては介護サービスのプログラムとして受けるのが現実的な対応だと思われる。薬物療法としては、適応疾患に対してはコリンエステラーゼ阻害薬が第一選択になる。そのほか、メマンチンも考慮してよいが、抗うつ薬、抗てんかん薬の効果は認められていない。

合併症への対応

せん妄の治療はどのように行うか

せん妄は常に予防を心がける。出現したせん妄に対しては、直接因子と誘発因子の治療、除去を行う。これらの対応や治療を行っても改善しない場合には、クエチアピン、ペロスピロン、リスペリドン、オランザピンなどの非定型抗精神病薬による治療を考慮する。せん妄の原因精査、円滑な治療の実施、本人の安全の確保のために、入院治療も考慮する。日本総合病院精神医学会によりせん妄の臨床指針が作成されており、参考にできる。

認知症者のけいれんを含めたてんかんの対応はどのように行うか

推奨
旧来の抗てんかん薬は認知機能を悪化させる有害事象が報告されており、認知症高齢者への使用は注意が必要である。新規抗てんかん薬は漸増法などの工夫を行えば比較的忍容性が高く、有効である。

嚥下障害の対応(誤嚥性肺炎の予防を含む)はどのように行うか

推奨
誤嚥性肺炎の発症予防には、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アマンタジン、シロスタゾールの投与(保険適用外)、カプサイシン、口腔ケア、嚥下リハビリテーション、顎引き嚥下、食後1時間の座位保持、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンなどが有効である。進行期の認知症に経皮内視鏡的胃瘻造設術が誤嚥性肺炎の予防や日常生活動作および生命予後の改善に有用であるというデータはない。

摂食障害・低栄養の対応はどのように行うか

推奨
Alzheimer型認知症では、食行動の変化、食欲低下、嚥下障害、自律神経障害のため摂食困難になることが考えられる。体重変化、食事量を聴取し、栄養評価、誤嚥の予防、服用薬剤の見直し、経口摂取および経管栄養の是非について検討を行うことが大切である。

サルコペニア、フレイルの対応はどのように行うか

推奨
認知症では、サルコペニア、フレイルを合併しやすい可能性がある。抵抗運動resistance trainingは認知症に合併したサルコペニア、フレイルの改善に有用な可能性がある。

転倒・骨折の対応・予防はどのように行うか

推奨
認知症者は、非認知症者よりも転倒のリスクは約8倍、骨折のリスクは約3倍高い。基礎疾患の治療、薬物の調整、運動、歩行とバランス訓練、補助具を装着しての訓練、環境整備、家庭環境への適応訓練を行い、多面的な介入で転倒予防に取り組み、骨粗しょう症治療を考慮する。

褥瘡への対応はどのように行うか

推奨
サプリメント、経管栄養、経静脈栄養の治療・予防効果を示す明らかなエビデンスは現時点ではなく、総合的管理は高いレベルのエビデンスに乏しい。局所治療に際しては日本褥瘡学会による「科学的根拠に基づく褥瘡局所治療ガイドライン」を参考にする。

急性の身体疾患では、どのような点に注意するか

回答
認知症者は、急性疾患の典型的な症状が出にくく、訴えもできないため、発見が困難な場合もある。Alzheimer型認知症は重度になると入院回数が増し、死亡率が高くなる。

透析・歯科治療など侵襲的な検査・治療はどのように判断するか

回答
認知症者が透析を行う場合、日本透析医学会から提案されている「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」を参考にする。認知症者に歯科治療・口腔ケアは必須であり、予防的・継続的に口腔衛生管理を提供することを推奨する。

浮腫の対応はどのように行うか

推奨
長期臥床による不動や低栄養への対処のほか、基礎疾患の治療、皮膚の感染症や褥瘡などの合併症の治療によって対処する。抑肝散や抗精神病薬などによる薬剤性浮腫の可能性に留意し、適宜原因薬剤の中止や減量を検討する。

排尿障害の対応はどのように行うか

推奨
認知症者では機能性尿失禁と切迫性尿失禁が多い。泌尿器科的な基礎疾患を否定したうえで、行動療法は効果が期待できる方法である。一方、認知症者に対する薬物療法については十分なエビデンスが存在しない。

便秘の対応はどのように行うか

推奨
便秘は認知症者に頻度の高い疾患であり、生活の質を阻害し、せん妄の原因となることもある。器質性疾患の鑑別を行い、食事(食物繊維の多いもの)、運動で改善しない場合は、下剤を使用する。

糖尿病・高血圧など生活習慣病をどう管理するか

推奨
糖尿病のコントロールは、認知症や身体機能障害の程度、併発疾患、フレイルなどを考慮して個別に設定するよう勧められる。認知症を合併した高血圧患者に対する降圧治療の効果に関するエビデンスは少ないが、過度に降圧しないような治療を考慮すべきと考えられる。
診療科目
脳神経内科・婦人科・内科

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東京都豊島区南大塚3丁目-32-10 今井保全ビル1F
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土・日・祝日:休日等診療
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13:00-17:30 ※〇 平日:通常診療
土・日・祝日:休日等診療
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17:30-19:00 ※△ 夜間診療(受付終了18:30)
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